LINE公式アカウントのブロック率を下げる配信設計

目次

LINE公式アカウントのブロック率は、30%前後がひとつの目安です。

ただし、30%を超えたからといって、すぐに「運用がうまくいっていない」と判断する必要はありません。ブロック率は業種や友だちの集め方、アカウントの運用期間によって大きく変わるからです。

実際、LINE公式アカウントの支援企業を対象とした調査では平均29.7%・中央値27.0%という結果がある一方、別の調査では平均36.12%というデータもあります。

大切なのは他社との単純比較よりも、「どの配信の後にブロックが増えたのか」「実際にメッセージを届けられる友だちは増えているのか」を継続して見ることです。

この記事では、LINE公式アカウントのブロック率の平均や計算方法、確認方法から、ブロックされる主な原因と具体的な改善策まで解説します。

LINE公式アカウントのブロック率は30%前後がひとつの目安

LINE公式アカウント全体に共通する「公式の平均ブロック率」は公表されていません。そのため、実際の運用データを使った複数の調査を参考にするのが現実的です。

ソーシャルPLUSが、同社の支援する友だち数1,000人以上のLINE公式アカウントを調査したところ、ブロック率は平均29.7%、中央値27.0%でした。

一方、LINEヤフー for Business公式noteに掲載された運用アカウントの調査では、全体平均36.12%という結果も紹介されています。

調査対象が異なるため数字には差がありますが、実務上は「おおむね30%前後」を相場観として持っておくとよいでしょう。

業種によってブロック率は大きく変わる

ソーシャルPLUSの調査を商材別に見ると、次のような差があります。

商材平均ブロック率中央値
人材38.4%35.8%
化粧品36.6%34.8%
健康食品33.9%29.2%
医療・美容33.8%37.0%
不動産31.8%30.1%
アパレル30.7%27.6%
食品27.8%22.8%
保険・資産運用・金融22.7%24.0%
日用品22.3%19.1%
趣味・レジャー・エンタメ21.7%18.8%
その他会員サービス21.5%15.8%

出典:ソーシャルPLUS「LINE公式アカウントのブロック率とどう向き合うか?」

人材では平均38.4%なのに対し、趣味・レジャー・エンタメでは21.7%です。

この違いには、サービスを使い終えるタイミングがあるかどうかも関係します。転職サービスなら転職が決まれば利用目的がなくなります。一方、趣味や会員サービスは利用が長く続きやすく、LINEでつながり続ける理由も残ります。

そのため、自社のブロック率を評価するときは、全体平均だけでなく商材の特性も考慮する必要があります。

友だち数が増えるとブロック率が上がることもある

同じ調査では、友だち数5,000人未満のアカウントではブロック率が約22%だったのに対し、50万人以上では40%を超えていました。

友だちを大規模に獲得すると、自社への関心がそれほど高くないユーザーも入りやすくなります。スタンプキャンペーンや特典を使って一気に友だちを増やした場合は、特にこの傾向が出やすくなります。

つまり、友だちが増えた結果としてブロック率も多少上がるのであれば、それだけで施策が失敗したとは言えません。

見るべきなのは、ブロックを除いても実際にリーチできる友だちが増えているかどうかです。

ブロック率の計算式と確認方法

LINE公式アカウントのブロック率は、一般的に次の式で計算します。

ブロック率(%)= ブロック数 ÷ 友だち追加数 × 100

たとえば、累計1万人が友だち追加し、そのうち3,000人がブロックしている場合、ブロック率は30%です。

LINE Official Account Managerでは、「分析」から友だち追加数、ターゲットリーチ、ブロック数を確認できます。

ターゲットリーチは、現在メッセージを届けられる友だちの規模を見るために重要な指標です。ブロック率だけを見るよりも、ターゲットリーチが増えているか、減っているかを合わせて確認したほうが、アカウントの状態を正しく判断できます。

累計ブロック率より「配信後に何人ブロックしたか」を見る

LINE運用を改善するときに、累計ブロック率だけを追い続けても、原因はほとんど見えてきません。

運用期間が長いアカウントでは、過去数年分のブロックが積み上がっています。今日の配信を改善しても、累計30%が翌日に25%へ下がることはありません。

そこで弊社では、配信前後のブロック数を記録し、配信単位で変化を見ることをおすすめしています。

たとえば10万人に配信し、翌日までにブロックが300人増えたなら、今回の配信による増分ブロック率は約0.3%です。別の配信では0.05%だったのであれば、内容や対象者、配信時間などに違いがなかったかを確認できます。

この比較を続けると、「ブロックされやすい配信」のパターンが見えてきます。

ブロックされる最大の理由は「自分に必要のない情報」

Lステップが2023年7月にLINE公式アカウントの登録経験者1,000人を対象に行った調査では、76.5%が「LINE公式アカウントをブロックした経験がある」と回答しています。

ブロックは珍しい行動ではありません。

さらにブロックした理由を見ると、配信回数だけが問題ではないことが分かります。

ブロックした理由回答割合
不要な情報が多かった51.6%
配信が多かった48.9%

出典:Lステップ「LINE公式アカウント登録者1,000人を対象にした利用実態調査2023」

最も多かったのは「不要な情報が多かった」です。

配信頻度を落とすことはもちろん大切ですが、自分に関係のない内容が届き続けているなら、月4回を月2回に減らしただけでは根本的な解決になりません。

ブロック率を改善するうえで最も重要なのは、必要な人に必要な情報を送ることです。

「特典で登録、販促を受信」のズレにも注意する

同調査では、友だち追加のきっかけとして「クーポンなどの登録特典があったから」と回答した人が82.6%に上りました。

これはLINE運用を考えるうえで重要な数字です。

企業側は「今後も情報を届けられる見込み顧客を獲得した」と考えます。一方、ユーザーは単に「500円OFFクーポンが欲しかった」だけかもしれません。

登録直後から商品案内が何通も届けば、ユーザーからすると「思っていたものと違う」と感じます。

ブロック率は配信内容だけで決まるものではありません。友だちを集める時点から、すでに始まっています。

ブロック率を下げるなら、最初にセグメント配信を見直す

一斉配信では、友だち全員に同じ内容が届きます。

家具店であれば、ソファを探している人にもベッドのキャンペーンが届きます。人材会社なら、転職が決まった人にも新着求人が届き続けます。

このズレを減らす最も基本的な方法がセグメント配信です。

性別や年代といった属性だけでなく、閲覧した商品、購入履歴、利用店舗、アンケート回答、クリック履歴などを使えば、配信対象をより細かく分けられます。

特に活用したいのが「行動データ」です。

最近ソファの商品ページを見た人にソファのキャンペーンを送る。カートに商品を残した人にはリマインドを送る。購入した人には使い方や関連商品を案内する。

ユーザーの行動と配信内容がつながるほど、「自分には関係ない」と感じるメッセージは減っていきます。

配信頻度は「アカウント全体」より「1人あたり」で考える

Lステップの調査では、「週1回程度の配信が適切」と回答した人が39.2%で最多でした。

そのため、データがない段階では週1回程度を出発点にするのは合理的です。

ただし、すべての配信を週1回に抑える必要はありません。

たとえば、全員向けのキャンペーンを週1回送りながら、商品をお気に入り登録した人だけに再入荷通知を送ることはできます。カゴ落ちしたユーザーへのリマインドや予約前日の通知も、通常の販促配信とは役割が違います。

管理したいのは「今月20回配信した」というアカウント側の本数ではなく、「Aさんには今月何回届いたか」です。

セグメント配信ができれば、アカウントとしては多くの施策を動かしながら、一人ひとりの受信量を抑えられます。

販促だけを送らず、LINEを使う理由を増やす

セール、クーポン、新商品の告知だけが続くと、購入予定のない時期にはLINEを友だちにしておく理由がなくなります。

商品を選ぶための情報、購入後の使い方、予約や会員証、診断、問い合わせなど、販促以外の価値も持たせることが重要です。

たとえば家具店なら、「新作ソファ20%OFF」だけではなく、部屋の広さから最適なソファサイズを判定する診断を用意できます。

診断した本人にとって役立つだけでなく、「1人暮らし」「10畳」「カウチソファに関心あり」といったデータも取得できます。その情報を次のセグメント配信に使えば、配信精度も上がります。

LINEを単なる広告配信チャネルとして扱うより、ユーザーとの接点そのものとして設計したほうが、長期的なブロックを抑えやすくなります。

友だち追加直後に「これから何が届くか」を伝える

あいさつメッセージもブロック率に関わります。

追加直後にクーポンだけを渡して終わるのではなく、「このLINEでは何を受け取れるのか」が分かる状態を作っておきます。

たとえば「週1回ほど、新商品や会員限定クーポンをお送りします」と事前に伝えておけば、ユーザーが想定していないメッセージが突然届く感覚を減らせます。

リッチメニューにも、よく使う機能や情報を置いておくと効果的です。

予約、会員証、店舗検索、商品検索などをユーザー自身が必要なときに開けるようにすれば、企業側からプッシュ配信ですべてを届ける必要もなくなります。

配信時間は「一般論」より自社データで決める

最適な配信時間は商材によって違います。

飲食店と転職サービスでは、ユーザーがLINEを見るタイミングも、メッセージを見て行動できる時間も異なります。

Lステップの1,000人調査では、メッセージを確認しやすい時間帯として21時を挙げた人が58.2%と最多でした。ただし、これをすべての企業に当てはめるのは適切ではありません。

配信時間を変えながら、開封率、クリック率、コンバージョン、配信後のブロック増加数を比較するほうが確実です。

「何時なら開かれるか」だけでなく、「何時なら行動につながるか」まで見ると、業種ごとの勝ちパターンが見つかります。

行動を起点にした配信は、むしろブロックされにくい

一斉配信を減らすと、「LINE経由の売上まで落ちるのでは」と心配になるかもしれません。

そこで活用したいのが、ユーザーの行動に応じて送るメッセージです。

カゴ落ち、再入荷、予約前日、購入後のフォローなどは、ユーザー自身の行動と内容がつながっています。

ソーシャルPLUSの調査でも、カゴ落ちや再入荷通知などをAPI経由で配信しているアカウントは、配信をまったく行っていないアカウントよりブロック率が低いという結果が出ています。

配信数そのものをゼロに近づけるより、必要性の高い配信へ置き換えていくほうが、LINEを事業成果につなげやすくなります。

実際の企業事例でも、鍵は「送り分け」にある

セグメント配信やID連携を進め、低いブロック率や高い売上効率を実現している企業もあります。

企業施策・成果
株式会社粧苑すきやLINEと会員情報を連携し、ブランドや購買情報に合わせて配信。友だち数4万人時点でブロック率10%以下、開封率60%以上
ワールド・ファミリー株式会社LINEログインと顧客データを活用したパーソナライズ配信で、ブロック率7%を維持
ヒラキ株式会社一斉配信をやめ、対象者を絞った配信へ移行。配信ボリュームを約25分の1に抑えながらLINE経由売上を伸長

粧苑すきやは、配信頻度自体は月10〜15回と少なくありません。それでもブロック率10%以下を維持しています。

重要なのは「何回送るか」だけではないことが分かります。

誰に送るのか。その人にとって、今その情報が必要なのか。

配信の精度が高ければ、ある程度の配信回数があってもユーザーとの関係は維持できます。

なお、1回の配信は最大3吹き出しまで「1通」として扱われる

LINE公式アカウントでは、1回のメッセージ配信に最大3つの吹き出しを設定できます。

この3吹き出しは、それぞれ3通として課金されるのではなく、1回の配信として扱われます。

ただし、コスト上問題がないからといって、毎回3吹き出しを使う必要はありません。

文章、画像、カードを大量に並べれば読む負担は増えます。必要な情報をできるだけ短い導線で伝える、というUX上の配慮は別に必要です。

ブロック率だけをKPIにすると運用を間違える

ブロック率を下げるだけなら、メッセージを送らないのが最も簡単です。

しかし、それではLINEを運用している意味がありません。

実務では、ブロック率と一緒に「ターゲットリーチ」「開封率・クリック率」「コンバージョンや売上」「配信コスト」「配信後の増分ブロック」を確認します。

たとえば友だちが5,000人から1万人へ増え、その過程でブロック率が20%から30%へ上がったとします。

単純にブロック率だけを見れば悪化です。

しかし、メッセージを届けられるユーザーが4,000人から7,000人程度へ増えているなら、LINEという顧客接点そのものは拡大しています。

このケースで「ブロック率が上がったから友だち獲得施策を止めよう」と判断すると、本来得られた成長機会まで失いかねません。

まず90日で「どの配信がブロックを生んでいるか」を特定する

ブロック率を改善したい場合、いきなり配信回数を半分にする必要はありません。

期間やること
1か月目過去の配信日時とブロック数の推移を照合し、ブロック増加の大きかった配信を特定する。あいさつメッセージと友だち獲得導線も確認する
2か月目属性・購買・興味関心など最低限のセグメントを作り、一斉配信の一部を送り分ける
3か月目カゴ落ち、予約、閲覧、購入などの行動を起点にした配信を増やし、配信時間や内容をテストする

3か月続ければ、「セール配信で増える」「全員配信で増える」「長文のときに増える」など、自社固有の傾向が見えてきます。

他社平均よりも、このデータのほうが運用改善には役立ちます。

LINE公式アカウントのブロック率に関するよくある質問

ブロック率30%は高いですか?

30%前後は、多くの調査結果と比較すると極端に高い水準ではありません。

ただし、人材のように30%台後半の業種もあれば、会員サービスでは20%前後のケースもあります。業界平均との差以上に、自社の過去との比較やターゲットリーチの推移を確認してください。

ブロック率は何%を目標にすればいいですか?

全業種共通で「○%以下なら正解」という基準はありません。

ブロック率だけを下げることを目標にすると、配信そのものを減らしすぎる可能性があります。売上やコンバージョン、ターゲットリーチと合わせて、自社に適した水準を探すことが重要です。

誰がブロックしたか確認できますか?

LINE Official Account Managerの通常の分析画面では、ブロック数は確認できますが、ブロックしたユーザーを一覧で特定する機能はありません。

一方、Messaging APIを利用している場合、ユーザーが公式アカウントをブロックした際に「unfollow」イベントをWebhookで受信できます。CRMやMAツールと組み合わせれば、ブロックを含むユーザー状態を運用データとして扱うことも可能です。

ブロック率を下げるうえで、最初に何をすればいいですか?

直近の配信ごとに、配信前後でブロック数がどれだけ増えたかを確認してください。

そのうえで、ブロック増加の大きかった配信について、対象者、内容、頻度、配信時間を比較します。

原因が分からないまま配信頻度だけを下げるより、改善箇所を特定しやすくなります。

ブロック率改善の本質は「関係のない人に送らないこと」

LINE公式アカウントのブロック率は、30%前後がひとつの目安です。

ただし、その数字だけでアカウントの良し悪しは判断できません。

ブロック率が多少高くてもターゲットリーチと売上が伸びているアカウントもあります。逆に、ブロック率が低くても誰もメッセージを開かず、売上につながっていなければ成功とは言えません。

改善するときは、配信回数を減らすことから始めるのではなく、「誰に何を送っているか」を見直してください。

ユーザーの属性や購買履歴、行動に合わせて配信を分け、必要なタイミングで必要な情報を届ける。

結局のところ、ブロック率を下げる配信設計は、この積み重ねです。

集客や売上の課題を、一緒に整理しませんか。

現状を伺い、取り組むべき施策と優先順位をご提案します。